2008年10月07日

生きる場所



私はもうすぐ

貴方の生きる場所へ行きます



私も貴方と同じ場所で

生きていきたいから








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2008年09月15日

晴れの日-2-


「着いたよ」
彼女はそう言うのと同時に
インターホンを押した。


ピーンポーン


ドアの向こうで
チャイムが鳴り響くのが
かすかに聞こえる。


「はーい、はいはいはい」


そんな声が遠くから聞こえ
それと同時に聞こえていた
バタバタという足あとがドアのすぐ向こうまで
近付いた。


ガチャ


そんな鍵を開ける音と共に

「いらっしゃーい」

そんな陽気な声が聞こえた。



そこに現れたのは、彼女がそのまんま
20歳ほど年を取ったような顔をした女性、
すなわち彼女のお母さんだった。

お母さんと会うのは
これで2度目だった。



「一郎さん、遠いところをわざわざどうも〜」


そう言いながら、玄関先に
僕と彼女の二人分のスリッパを並べる。



「狭いけどね、散らかってますけどね。
ま、いいわね。どうぞ、上がって下さい。」



スリッパを僕に勧めながら、お母さんはつぶやくように
そう言い、そして玄関のすぐ横にある客室に僕らを誘った。


「お父さ〜ん、お父さ〜ん
 美智子と一郎さんが見えたわよ〜。」


お母さんはめいっぱいそう叫びながら、奥の部屋へと
消えていった。


僕は通された客室で彼女と二人並んで
座布団に正座して座った。
「ママったら、あんなに叫ばなくても聞こえるのにね」
美智子はそう愛しそうに言いながら
楽しそうに笑った。
僕は、そんな彼女の言葉を耳にしながらも
昨日あんなに家で練習した挨拶を
半分以上思い出せないことに焦りを感じ
少しずつ思い出そうと努力しながら
何度も心の中で復唱した。




つづく







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2008年08月23日

晴れの日


ドキドキドキドキ・・・

さっきからずっと
この音が止まらない。

体中に響くような、大きな音。


ドキドキドキドキ・・・

スゥゥゥゥゥ・・・ハァァァァァァ・・・



(クスクスッ)

隣からそんな笑い声聞こえる。
見ると彼女が笑っている。

僕はキッ!と軽く彼女を睨んだ。


「だって〜、そんな顔の一郎を見るの
初めてなんだもん〜。」


今度はゲラゲラ笑い出した。


チェッ
のん気なもんだよ〜


僕は心の中でひとりごちる。



「リラックス、リラックス!
誰も取って喰いやしないから!」



いや、喰われるね!!


・・・そんな気分だよ。



僕はまたもや心の中でそう反論し
彼女に気付かれないほどの小さなため息をもらした。




そう、これから僕たちは彼女の家へ
彼女のご両親へ挨拶に行くのだ。





次へ続く





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真実


甘い言葉も
優しい囁きも
口にはしないけれど

温かで
力強い
貴方の腕に
ウソはないと


信じているよ




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2008年08月10日

気付き


貴方と出逢って
人を大切に想うってどういうことか


少し分かった気がするんだ



一日、一日が


何事もなく無事に終わることが
こんなにも嬉しくて
大切なことだって




明日も今日と同じ
楽しい一日が過ごせると
疑うことをしない


そんな毎日が送れること



貴方を好きになって
初めて知ったんだ

posted by sunny at 22:33| Comment(0) | TrackBack(0) | | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2008年08月08日

晴れたらいいな


小さな短冊に
たった一つ
唯一の願いを綴る



この想いが
空を昇り
河を渡って届きますように



7月7日
あした
晴れたらいいな





7月6日夜
posted by sunny at 21:27| Comment(0) | TrackBack(0) | | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2008年08月06日

ある美容室でのある会話-3-


「ではカットですが・・
どのようにしますか?」


彼女はその言葉を聞き
後ろ髪を右手にとった。



「痛んでる部分を切ってもらうのと
横の髪をフェイスラインより少し長いくらい。
あと、前髪を揃えてもらえますか?」


「かしこまりました」


店長は彼女の希望どおり、
丁寧に、だが無駄のない速さで
髪を切っていった。


「私、こんなに長く伸ばすのって、初めてなんです」


彼女は嬉しそうに微笑みながら
話した。


「彼氏の趣味に合わせて
髪を伸ばす、なんていうのも初めて」


店長は鏡ごしにニッコリと
彼女に笑顔を返した。


「別に彼氏から『伸ばして欲しい』なんて
言われたことは無いんですけど
私って、あんまり彼氏の好みのタイプじゃないらしいから
せめて髪型だけでも近付きたくって。
髪だけは褒めてくれるから、切りたくても切れないんです!」


彼女は、そんなグチのようなことを言いながらも、
彼氏のことが愛しくて仕方ないといった口調で、
少し饒舌ぎみに話した。



(長い髪好き・・・

あっ!!アイツか!!)

店長は常連中の常連で、プライベートでも
何度か一緒に飲みに行ったことのある
ある男性客の顔が頭に浮かんだ。


その男性客の顔を思い浮かべながら
彼女の笑顔を見ていると
なんだか店長まで嬉しい気持ちになってきた。


「あ、店長さん、今、彼が誰だか分かったような
顔しましたよね?!」


(ス、スルドイ・・)


店長は返事の代わりに、さらにニッコリと笑いかけた。


彼女はちょっとすがるような目をした。


「私がここに来たこと、
彼氏には内緒にしてて下さいね。
こんなにベラベラおしゃべりしたことが
分かったら、きっと嫌がるだろうから!」



店長はそういう彼女の気持ちが
とても良く分かった。

彼氏に秘密で来たのに
つい嬉しくて喋りすぎてしまったこと。
それを少し悔やんでいること。


そんな彼女をとても可愛らしいと思った。



「今度二人で一緒に来て下さい。
あいつには内緒ですけど
安くしますから!」


店長は少し小声になりながら、
横目でちらりと受付にいる妻の顔を見て
そう言った。


彼女はクスっと笑い
「はい!」っと
小さな声で返事をした。

そしてホッと安心したような表情を見せた。



「では、トリートメントに入りましょう」


「お願いします!」





まだまだ平日の昼間独特の
ゆっくりと進む長い長い時間は続く。


受付に立っている店長の妻は
彼女と店長の会話を耳にしながら、
時折2人に目をやり、そしてまた少し退屈そうに
すぐ横にある窓から外を見る。


外を通る人々はみな、
この美容室の中で流れる時間とはまったく別次元で
過ぎていく世界の中で生活しているかのように
早足でせかせかと歩いていた。









-おわり-
posted by sunny at 01:27| Comment(2) | TrackBack(0) | 「理想」の妄想 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2008年06月15日

運命の人


「これほどまでに理想どおりの人はいない」


そう思える人に、出逢ってしまった。


これは夢?
本当に現実?

何度も何度も疑った。



この想いは報われない。
恋は叶わないと思っていた。
また妄想に終わるのだろうと。

きっと彼は、本当は理想の人なんかじゃない。

きっといつか
嫌というほど幻滅するのだろうと。
そしてまた私は探し始める。
「理想の人」を。


そういう日がきっと来るのだろうと思っていた。




でも、その出逢いから3年経った今も
まだ彼は私の「理想の人」から
まったく変わらない。


いや、本当は違うのだ。
分かっている。


本当は、彼自身が私の「理想の人」となってしまっている。


彼だから

彼のことを本当に
好きになってしまったから。






そしてこの想いはきっと私だけのもの。



彼がどう感じているのか
私が彼にとって、どういう存在なのか
私は知ってる。


きっと同じではないこと。



だからただ祈るしかない。



彼が私と同じように
お互いが唯一の存在となれるように。



どんなに頑張っても
人の気持ちは変えられない。

だけど頑張らずにはいられない。





だから祈るしかない。
願うしかないのだ。





彼が私の運命の人であるように。

私が彼の運命の人であるように。








今日も妄想する。


彼と一緒に「レッドカーペット」を見ながら二人で笑う
なんでもない、いつもの水曜日の夜を過ごすことを。


彼と一緒に近くのスーパーに出掛けて
一週間分の食料を買おうと、あれやこれやと言いながら
ショッピングカートを並んで押す日曜日の昼間を過ごすことを。



そうやって一週間が過ぎ、一年が過ぎ
二人ともに年を取っていくこと。
それが何よりの幸せであること。






彼との出逢いが
私にとってとても大きなものであるように
彼にとっても
大切なものになりますように。

posted by sunny at 15:38| Comment(4) | TrackBack(0) | 「理想」の妄想 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2008年06月08日

ある美容室でのある会話-2-


「じゃ、後ろに倒しますね〜」

店長はそう言ってゆっくりとイスを後ろに倒して
女性の頭をシャンプー台の端に載せ、
顔の上に白い紙を置いた。

ゆっくりゆっくりと、彼女のきれいな黒髪に
心地よい温度のお湯をかけてゆく。

こんな時、たいていの美容室では

「今日はお休みですか?」とか
「これからどこかへお出掛けですか?」なんて
世間話を始めるものだが、店長はしない。
それは、この店長のポリシーだった。

客が話を始めればそれに合わせる。
でも、話を始めなければ、必要以上の話はしない。

静かな時間が好きな客だって
見ず知らずの人と話をすることが苦手な人だって
きっといるはずだからだ。


静かな沈黙の中、シャワーの音と、
その美容室のBGMでかかっている
「SOTTE BOSSE」の柔らかい声だけが聴こえていた。
その時、曲が「未来予想図2」に変わった。
「DREAMS COME TRUE」の名曲、「未来予想図2」のカバーだ。

「あ、私、この曲好き・・。
 私自身、『未来予想図』を描いてしまう人やけんかな〜。」

そう言った彼女は、突然ハッとして、
顔を真っ赤にした。

「また方言が出ちゃった。
 ついつい方言が出ちゃうんですよね〜。」

店長は彼女の髪をシャンプーしながら言った。

「いいじゃないですか、方言。
 ボク好きですよ、方言って。
 方言で話す女の子を『カワイイ』って思う男性は
 少なくないみたいですよ〜」

彼女はまだ恥ずかしそうな口調で言う。

「そうですか?
 でも、なんか博多弁ってなんか乱暴な感じがするんですよ。
 だから一生懸命、方言を言わないようにしようって思ってて。
 でもまだやっぱり出ちゃうんですよね。」

シャカシャカシャカシャカ
そんな髪を洗う音と、シャンプーのフルーティーな甘い香りが
2人の会話を、包んでいた。

「こっちにはいつ来られたんですか?」

「えっと〜、一週間くらい前です。」

「へ〜、じゃぁまだこっちに来られたばかりなんですね。
 仕事の転勤とかで、ですか?」

彼女は一瞬、迷ったそぶりを見せたが、口をまた開いた。

「いえ、彼氏がこっちにいるので
 一緒に住む為に・・」

「あ〜、いいですね〜!
 じゃ、今は一番楽しい感じですよね?」

「はい!」

彼女は元気良く返事をした。

「じゃここは、彼氏さんの紹介で来られたんですか?」

「はい、あ、紹介っていうわけじゃないんですけど
 彼氏がずっとここの美容室の話をしてて
 特に店長さんの話をしてて、それで私も
 来てみたくなったんです。」

店長は、シャンプーを洗い流しながら考えた。

”彼女の年齢から考えれば、20〜30代頃。
 ずっと、ってことはわりと長く来てて
 俺と仲がいい??”

”こんな美人な子の彼氏って・・誰だよ?!”

ぐるぐるぐるぐる・・


突然会話が止まった店長に
彼女はクスクスと笑い出した。

「今、彼氏が誰だか考えてるでしょ?」

図星だった店長は返す言葉もなく、
静かにシャンプーを終え、彼女の座るイスを上げた。

「はい、シャンプー終了です」









そして、今日の部も終わりです。
また次回。
posted by sunny at 23:25| Comment(2) | TrackBack(0) | 「理想」の妄想 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2008年06月06日

ある美容室でのある会話


「こんにちは〜」


その女性は、そう元気な声で挨拶をして
美容室の入り口の扉を開けて入ってきた。


その声と一緒に
そこではおなじみのカランカラン♪と
扉が開いた時に鳴る心地よい鐘の音が、
そう広くない店内に響いた。



「いらっしゃ〜い」


いつもなら、初めてのお客様には
「いらっしゃいませ」と丁寧に挨拶する店長だが
ついその女性の人懐こい挨拶につられて
まるで開店当初からの馴染み客に対して言うように
挨拶をした。

次の瞬間に、「しまった」とは思ったが
入ってきた女性の笑顔を見ると、
すぐにそんな感情も忘れて、またまたつられて
ニッコリと笑った。



その美容室には、店長であり唯一のスタイリストである男性と
受付・助手その他雑用係りの女性(店長の妻、しかも新婚!)の
2人しかいない。


そんな小さな小さな美容室に、
誰かの紹介以外の新規客が来るなんてことも
そもそも珍しいことではあったのだ。



「いらっしゃいませ。
 今日はいかがなさいますか?」

受付で、妻が営業用の笑顔で聞くと

「はい、トリートメントを
 お願いしようと思って」

女性はなぜかそう少しはにかんで答えた。

たまたま、というより、平日のお昼前の時間としては
いつものごとくというべきか
客は誰一人いない。
すぐにスタイリスト、すなわち店長がいる鏡の前の
イスに案内された。


身長180cmを超える店長の姿が
頭の先からつま先まですっぽり入るほどの
大きな鏡の前に彼女は座った。

そうしてよく見ると、
彼女は、とてもキレイな顔立ちをしていた。
くるくるとした大きな眼に長いまつげ、
白いもちのような肌に、ピンク色の唇。
何より、ニコニコと笑う口元から
少しだけ見える八重歯が、とても魅力的に感じた。

(おっと新婚!)

2秒ほど言葉も笑顔も忘れて見入ってしまった店長は
入り口付近から感じる冷たい視線を感じて
我に返り、彼女に負けないほどの笑顔を返して言った。


「今日はトリートメントをご希望ということですね」

「はい。
 あ、あと、少しだけ・・長さを変えずに
 整える程度に切って欲しいんです。」

「かしこまりました」

店長は、女性の後ろに移動式のシャンプー台を準備した。







途中ですが
今日はもう時間も遅くなったので
続きは次回。

おやすみなさい♪


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posted by sunny at 01:35| Comment(0) | TrackBack(1) | 「理想」の妄想 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

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